|TOP|


Ewald法

目次

クーロンポテンシャルの分解

周期的境界条件におけるクーロンポテンシャルを効率よく計算する方法の一つとしてEwald法がある。Ewald法はユニットセル内の粒子の電荷の総和 が0の時、用いることができる。Ewald法ではポテンシャルを相補誤差関数と誤差関数を用いて分解し、ポテンシャルの周期性を利用してフーリエ変換によ り計算を効率化している。クーロンポテンシャルは以下のように表される。

                (1)

                (2)

nは3つの整数からなるベクトルである。hnは実空間ベクトルにあたる。狽総和の記号として用いているが、ここではnが0ベクトルのときはa = bの場合を除くこととする。

これを以下のように分解する。

                (3)

ここでΦrealを実空間項、Φwaveを波数空間項、Φselfを自己エネルギー項、Φcorrを補正項と呼ぶこととする。これらの項はそれぞれ以下のように表される。

                (4)

                (5)

                (6)

                (7)

Φrealは∑を総和の記号として用い、nが0ベクトルのときはa = bの場合を除く。erfcは相補誤差関数である。ここでKは逆格子ベクトルである。逆格子ベクトルKと先に述べたユニットセルの形状テンソルhは以下の関係にある。

                (8)

                (9)

ξは3つの整数からなるベクトルである。κは正の実数の定数である。またΦwave中のKに関する総和はKが0ベクトルの場合を除く。

力の計算

ポテンシャルを位置で偏微分した量から力が得られる。

                (10)

                (11)

                (12)

応力のポテンシャルに関する項の計算

応力は以下のように運動エネルギーに関する項とポテンシャルエネルギーに関する項の二つに分けられる。

                (13)

ポテンシャルに関する項を以下のように実空間項、波数空間項、補正項の三つに分ける。

                (14)

                (15)

                (16)

                (18)

なお上の計算に以下の関係を用いた。

|K|の計量テンソルによる偏微分は以下のように得られる。

                (19)

                (20)

体積Vの計量テンソルによる偏微分は以下のように得られる。

                (21)

                (22)

                (23)

                (24)

                (25)

                (26)

参考にしたもの

THE DL_POLY_2 USER MANUALのEwald Sumのページ
http://hidra.iqfr.csic.es/man/dlpoly/USRMAN/node64.html